難易度
ある日突然事故や病気で倒れて、自分のことが何もかもできなくなってしまう、と言うよりも、
時間をかけて少しずつ、一つ一つできることが減ってゆき、助けを得なければならない場面が増える、
身近な人の老いというものが少しづつリアルになって来るに従い、そんなことを考えるようになった。
自分だけは、歳をとらず、老眼にならず、髪の毛が薄くなることもなく、腰痛になることもなく、筋力が衰えることもないのではないか、と言った若き日の思いはつまり幻想に過ぎなかったことを思い知る。
ただ、大抵の場合は何もかもがいっぺんにはやってこない。
少しづつ備えることができる、そういう難易度になっていると思う。
少し前の冬の夕方、ヒコーキ雲と夕暮れ。
綺麗だな、と急いで(夕暮れは刻一刻と光の状態が変わるため)シャッターを切ったのですが、
いつかこんな景色も何とも思わなくなる時が来るのだろうか。
その時は、何か別のことを綺麗と感じるようになるのだろうか。